ARTIST STATEMENT - EN
後藤の作品は、彼女を強く動かす経験や感覚を出発点としている。しかし、それらは感情のまま表されるのではなく、素材とのやりとりを通して作品に手を加え、テーマの核となる部分を抽出しながら、抽象表現へと展開していく。
ひとつのスタイルに収めようとすると、作品が始まったときの強度や核が弱まってしまう。そのため後藤は、あらかじめ作風や技法を固定するのではなく、それぞれの作品が求める素材や表現方法を選び取り、制作している。
個人的な経験は、素材やプロセスを通して、より普遍的なものへと開かれていく。作品はひとつの意味に閉じられず、鑑賞者それぞれの記憶や見方によって、異なる解釈や感覚を受け入れる余地を残している。